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福島の原子力発電所の危機は官僚政治による人災である

東北地方を襲った巨大地震と津波は、さながら敗戦直後の日本の光景を再現しているかのような姿である。しかし、肉親や住む家を失った日本の国民が、いかに世界に優れているかを示しているのも、あの亡国の敗戦のときと少しも変わっていないように見える。

凄惨な大災害の後ではあっても、意味も無く泣き叫び、自暴自棄の姿を晒す日本人の姿は、ほとんど見かけない。悲しみや、怒りを抑え、冷静にお互いに気遣い、被害者でありながら救いの手を差し伸べる姿に胸を打たれる思いがする。

おそらく東北地方の大災害に遭遇した市民は、敗戦後の日本を見事に再建した父祖の時代と同じように、破壊された自分達の村や町を再生するに違いない。

しかし、大震災の惨禍を過ぎてもなお、被災した市民に襲い掛かろうとしている原子力発電所の恐るべき災害が迫っている。この新たな危災は、発端は自然災害であったとしても、核エネルギーの暴走を阻止、制御できなかったことに因っているから、まさにその主因こそ、この国を支配してきた官僚統制中央集権政治そのものであると断じられるべきであろう。

そしてその支配の実像は、事故が発生してから国民の前に姿を現した経済産業省原子力安全・保安院なるもの、そして、その保安院と一心同体で核エネルギー利用を独占してきた東京電力が国民に伝えるべき情報開示の姿に如実に現れているとも言える。

言うまでも無く、核エネルギー利用は、宇宙開発と同様に学術研究だけでなく、その利用に関する政治的権限も、東大とその出身者である官僚組織によって独占されてきたものである。そしてこれまでに発生した原子力発電所の事故や欠陥について、批判する声があったとしても、学問世界においても、官僚自民党が支配した政治の世界においても、考慮されることは一度もなく、虚妄の無謬性を誇る唯我独尊の東大閥人脈によって一蹴され続けてきたからである。

現在なお進行中の未曾有の危機が人災であったと証明されたときには、原子力エネルギー研究をほぼ独占し、日本の科学界を支配してきた東京大学の責任は極めて重大であると言わなければならない。それは、先の亡国の戦争が、超エリートと称された軍事官僚や文官官僚らが、国民の声を聞く耳を持たず、国民を愚弄するかのように異議や疑問に答えることもせず、ことごとく冷笑的に無視し、或いは一蹴する独善によって起こされたものであるが、今、未曾有の破滅的危機を招来した集団もまた、東大の学者、東大官僚、そして東電という東大閥民間企業であることがあばかれている。その愚劣さにおいては、高慢さを慇懃に隠した事以外には、戦前と寸分違わぬ亡国の東大と東大官僚の再現でもある。

それは、国家有為の知性と賞賛されてきた彼らが、今も昔も全くの虚構であることを証明するように、亡国の戦争を犯したこの国のエリートと同様の、無能力、無責任、そして当事者能力を著しく欠く集団であることを、今まさに我々の前で原子力安全・保安院或いは東電のエリートとして余すところ無くその実像を現していることに他ならないのである。

本稿の根拠として、日本の原子力政策に関わって来た組織とその当事者一覧を上げておこう。(出身校)

原子力安全委員会

委員長 鈴木篤之  (東大工)

    東邦夫   (京大工)

    早田邦久  (東大工)

    久住静代  (広島大医)

    中桐滋   (東大工)

原子力安全保安院

  前院長    薦田 康久 (東大工)

  院長    寺坂信昭  (東大経)

  次長    平岡英治 (東大工)

安全基盤審議官 中村幸一郎 (東大工)

流通戦略審議官 西山英彦  (東大法)

原子力研究開発機構

   理事長  鈴木篤之  (東大工)

  副理事長  辻蔵米蔵  (京大工)

   理事   戸谷一夫  (東北大工)

   理事   片山正一郎 (東大工)

   理事   伊藤和元  (阪大工)

   理事   岡田漱夫  (東大工)

   理事   三代真彰  (東大工)

   理事   横溝英明  (東大工)

   理事   野村茂雄  (早大理工)

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