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オバマ米国大統領の広島訪問‐東大官僚日本政府に原爆投下の謝罪要求などできない

亡国の戦争は東大官僚日本政府が言う満州事変から始まった。狂気の果てに起こしたこの戦争が原爆投下などで焦土化した後に無条件降伏で終結するまでの歴史的事実を日本人は正確に見つめなおす必要がある。

 

新潮社から刊行された船戸与一の遺作、「満州国演義」はこの戦争を満州侵略をとおして描いた画期的な歴史小説である。保守的な新潮社にしては意外でもあるが、その宣伝コピーには「あの戦争の目撃者になる」という言葉がしたためられている。

 

この言葉通り、歴史小説ではあるが亡国の戦争の歩みはフィクションではなく、当時の新聞記事や歴史家の分析に依存したドキュメンタリーである。そのとき起きた歴史的事実を創作された登場人物の口に語らせているものだ。膨大な紙数の小説ではあるが、船戸与一の真骨頂でもあるエンターテインメントの要素を持つストリーで読者を飽きさせず、一気に読了させてしまう魅力に溢れている。

 

全ての日本人に日本の政治を考えるために推薦したい。亡国の戦争の目撃者になり、何故、あの狂気の沙汰の戦争が起こされたかを知ることができであろう。安価な文庫本は今年中に全て刊行される予定とある。

 

さて、満州事変にはじまるあの亡国の戦争は、試験成績だけで選抜された東大官僚日本政府の経済失政が発端である。戦争へ至る道は20世紀に登場した加藤高明、若槻礼次郎、浜口雄幸の東大出身内閣の独善政治により敷かれたものだ。そして満州事変は東大と同様に試験成績で選抜された陸軍大学出身の板垣征四郎達が天皇専制下であっても、その統帥権すら無視して経済恐慌に苦しむ日本を救済するという目的で満州侵略を目指したものだった。

 

つまり20世紀の日本の政治は、東大、陸軍大、そして海軍大出身者のみで壟断されたものだった。それ以外の日本の国民は、あるいは天皇でさえ一切口出しすることができなかったのだ。その理由が今でも日本の子供たちを蝕むペーパー試験の成績序列というものだったのだ。

 

船戸与一は、歴史の証言者の声に基づきこの亡国の官僚像を描き出した。何もできない偽善者一高東大出の外交官の安悦な生きざまの実像を描き、傲慢さだけが取り柄の陸大出身参謀のデタラメな作戦能力を駒沢大出身の特務中尉の口を借りて嘆かせ、陸大合格はおぼつかないけれども日本人の正義感と良心を備えた陸軍士官学校出の将校には理念も知性のかけらもない軍事官僚日本政府に絶望し、国民への贖罪として中国共産党軍の謀略と知りながら反抗の戦いに挑み、命を落とす結末を描いた。

 

他人の意見に耳を貸さない傲慢かつ独善的な政府中枢の官僚達は、亡国の敗戦が必至の中でアメリカが原爆を開発していたことを知っていた。しかし日本の国民がその惨禍に巻き込まれることなど全く意に介さなかったのだ。なぜなら日本でも東大の仁科芳雄を中心にして原爆の製造を軍部に具申していたからだ。しかも軍事官僚も東大官僚も同じで、愚かにもそれが実現すれば敗戦必死の態勢を挽回できるとすら考えていたからだ。

 

敗戦の後も、国民を舐め切った東大官僚による独善中央集権政治は続いてきた。狂気の戦争を犯した反省や贖罪意識などとは全く無縁に、戦前同様に国民と政治を支配してきたのだ。それ故に、東大官僚日本政府に、アメリカの原爆投下を非難する意識も根拠も、どこにも存在してはいない。むしろ日本国民はアメリカの原爆投下を招いた独善官僚支配日本政府にこそ謝罪要求をするべきものなのかも知れない。

 

船戸与一の「満州国演義」はそのことを強く示唆しているようにも読める。

 

 

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